頭のけが(頭部外傷)

  気絶の時間で病状判断
 頭は、その中に脳が入っていますので、少しでもけがをすると、非常に心配になるものです。
 頭を打ったとき、どれだけ重症なのかは、気を失っている時間の長さによることが多いのです。脳がやられればやられるはど、気を失っている時間が良いということです。
 頭を打ったが意識がはっきりしている場合は、たいてい脳に傷がつかなかったと考えてよいでしょう。次に頭を打って気を失ったが、およそ6時問ぐらいまでに意識を回復した場合は−脳振盪−と言っていますが、このときも意識を回復した後、ほとんど障害は残りません。
 強い打ち方によって1週間、1カ月間、あるいはそれ以上も気がつかないという場合もあります。頭を打って2週間も3週間も気がつかないと、のちに重い後遺症が残って、満足に社会生活もできないような状態になりはしないかと、常に心配になります。
 このような、割合重い頭の外傷も、現在は治療法が発達していて、専門的な治療を受けますと、案外、特に年齢が若い人はど、後遺症もなく元気に治ることも多いものです。
 健忘症というのがあります。これは、頭を打った後、本人はそれはど異常にみえない行動をしているのですが、後になってこの間のことを全く覚えていなかったり、また傷を受けた以前のことを全く覚えていなかったりします。前者を外傷後健忘症、後者を逆行性健忘症といいます。
 それほど異常がみえないと書きましたが、1つの特徴がみられます。それはけがをした後、数時間くらい全く同じ質問ばかり繰り返したり、同じことばかり何回も言ったりする−ということです。しかし、この場合も時間がたつと、普通の状態に戻ります。 頭の皮膚は、けがをすると出血しやすく、びっくりすることがあります。この時は出血している皮膚の部分を布やガーゼを用いて、じつと押さえていると、止まることが多いものです。
 頭を打った後、初めは意識がはっきりしていますが、数時間以上してから意識水準が下がってきて、時間と共にどんどん状態が悪くなることがあります。
 これは頭を打ったときに頭の骨にヒビが入った、すなわち、頭蓋骨骨折のときにみられることがあるもので、頭の中に血がたまっており、手術して取り除くと何の後遺症もなく治ります(病名=急性硬膜外血腫)。
 子どもが頭を打ったあとに、吐くことがあります。大部分は、まる1日ぐらいして収まって元気になるものです。しかし、その中には、内出血したために吐いていることがありますので、脳外科医を受診することが必要です。
上島 治  



                                
ホームページへもくじへ前のページへ次のページへ