「胸やけ」に悩まされていませんか
 -逆流性食道炎について-

  内容物逆流でただれ 前屈など姿勢に注意を
 胸やけは、みぞおちからやや上の、胸骨のうらにかけて感じられる「焼ける」ような、「つまる」ような不快な症状で、しばしばゲップなども伴うことがあります。おいしい食事を口で味わってえん下する道が食道で、成人では約20数センチ、幅は2センチぐらいで、上から頚(けい)部、胸部、腹部、食道と名づけられています。食道から胃への食道・胃接合部を経て、胃の噴門部につながっています。
 規則的なえん下運動により食物を胃に送り込み、再び食道に戻らないしくみになっていますが、食物と一緒に入った空気はゲップとなって口から出ます。これが、手術で胃を全部とって腸とつないでいる場合、老人や肥満の方、また妊婦など腹圧が常にかかる人では、横隔膜の筋肉や、じん帯のゆるむ食道裂孔ヘルニアで食物の逆流防止機能が弱くなって、胃液や胃内容物が食道に逆流して、食道の粘膜にただれを生じます。これを逆流性食道炎といいます。
 ただれの程度がより強くなって、「びらん」や「潰瘍(かいよう)」まで進むと、症状も胸やけだけでなく、胸骨のうらに焼けつくような痛みを訴え、出血もおこり、さらにくり返すと内腔が狭くなり、食道が通らなくなってきます。
 検査としては、食道レントゲン検査、食道内視鏡検査などが行われます。予防としては、胃液の食道への逆流をふせぐために、前かがみになって腹圧のかかる作業はできるだけさけ、とくに食後の満腹時のこれらの動作はつつしむこと。衣服も帯やガードルなど、締めつけるものは身につけない。太っている人は減量につとめ、食べすぎに注意しましょう。油っこいもの、甘味つよいものは症状が出やすいのでなるべくさけます。食後の姿勢に気をくばり、すぐ横になると胃の内容物が逆流しやすいため、就寝時は少し上体を起こすと、胃液の逆流が防げます。
 以上のような生活改善を行っても症状が続く場合は、最近、胃液分泌を抑えるよい薬もありますので、かかりつけ医に相談してみてください。
 なお難治の場合には、外科的治療も対象になると思われます。逆流性食道炎から潰瘍、進展して慢性化すると、中に癌(がん)化する場合もあり、放置しないことです。
杉原 洋一   



                                
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