阪神・淡路大震災におもう

  備えあれば憂いなし 救急医療の地域学習を
 「こわいものは地震、雷、火事、親父」という言葉がありますが、昭和23年の福井地震以来、つい最近まで大過なく、日本が世界有数の地震火山国であることを忘れてしまっていたようです。その間幾つかの地震があり、被害者もでましたが、せわしい世の中でいつとなく忘れられていたのではないでしょうか。
 数年前から東日本を中心とする地域で群発するようになり、日本列島が地震活動期にはいったといわれていました。2年前の北海道奥尻島では住居が壊れ、多くの犠牲者がでました。また火山では、雲仙普賢岳の噴火も起きて、貴重な命が失われました。それでも近畿は大丈夫といった神話があったようでした。ところが、平成7年1月17日早朝の阪神・淡路大震災では、6,300人余もの生命が一瞬のうちに奪われてしまいました。
 大規模災害は地震や火山噴火だけでなく、台風や大雨で河川氾濫(はんらん)や土砂崩れ、デパートの火災、飛行機の墜落、高速道路のトンネル事故、列車事故など交通災害、工事現場のガス爆発、工場の薬品爆発などの自然、人為的を問わず、多くの人命が失われるものがたくさんあります。
 奈良県での大規模災害の歴史を振り返ってみますと、比較的安心して住める土地柄であることは本当にありがたいことです(調べてみますとたくさんの自然災害があり、亡くなった人もおられます)。「天災は忘れた頃(ころ)にやってくる」という格言があるように、住みよいと思われているわが県も先のことはわかりません。「備えあれば憂いなし」で、安全追求の気持ちで毎日を楽しく無事に過ごしたいものです。そのためにも、日頃から各方面の専門家の話に耳をかたむけて勉強しておきたいものです。
 奈良県医師会では、救急医療活動をどのようにしたらよいかを、県内や近畿地区6府県医師会と協力して検討してきていましたが、今回の阪神・淡路大震災の医療援助活動で学んだことを糧として、また国も進めている二次医療圏(奈良県では北和・中和・南和の3地域に分けられています)での整備を、県庁や市町村役場と話あってよりよいシステムづくりにつとめています。
 さらに大災害だけでなく、日々の救急医療の向上のために、奈良県が設置した救急医療情報センターの活用、各地区医師会が市町村から依頼されて行っている夜間休日応急診療所(一次)、国公立、救急告示病院、二次輪番制病院(二次)、県立医大や県立救急救命センターの高度救急医療機関(三次)に分けて、消防署などの担当者を交えた定期的な協議相談をしています。また学術研究会の場を設けて医師の研修をし、県民の生命、健康が守られるようにつとめています。
 そして、毎年9月9日の「救急の日」前後に地域で開催される講演会に、住民のみなさん方がたくさん参加され、勉強していただくことを願っています。
平井 純   



                                
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