のどに物がつかえませんか(食道がんを中心に)

  注意深く食事をして 「しみる」感じが目安に
食道がんによるわが国の死亡率は、胃がんの十分の一ぐらいで、年齢はほぼ10歳ぐらい恒例で6、70歳代に多く、男性が圧倒的に多い傾向にあります。
 食道は門歯から約40センチで胃につながっている管で、頚(けい)部、胸部、腹部、食道に分けられていますが、食道がんはど真ん中の胸部食道にもっとも多く発生します。ちょうど胸の中央にある、かまぼこ板のような胸骨のうらあたりになります。
 初期の症状としては、他のがんと同様に特別な自覚症状はありませんが、注意深く食事をしていると、食物が最初にのどを通過するとき、何か「しみる」ような感じを覚えますが、もう次の食物の通過では何ともないということを経験することがあります。こんなちょっとした症状に気をつけてください。
 気づかずに過ごしていると、次第に進行して食物を飲みにくくなったり、物が「つかえる」ような症状が現れてきます。これを、えん下困難といい、食道がんの主症状ですが、一度起こると食事のたびに続いてきます。
 これはがんの病巣が次第に進展して、狭い食道の管が更に狭くなるために起こる症状で、ひどくなると食べた物が胃に入らなく、おう吐が起こってきます。
 食道がんの原因としてはっきりわかっていませんが、何らかの影響を与えている要因として、濃度の高いアルコールで飲酒歴の長い人、熱い飲食物、塩辛い食物を好んで食べる人、喫煙歴の長い人たち。こうした人たちは食道がん発生のリスクファクチャーといい、年に一度の定期検診を受けてください。
 食道がんを見つけるのには、まず造影剤による食道X線診断があり、疑わしい場所があれば直ちに食道内視鏡を行います。内視鏡は重要な検査で、小さな潰瘍(かいよう)や隆起も発見できます。正常病変との区別が困難な場合、特殊な液を粘膜に吹きつけ、表面の変化を診る色素診断法も用いられています。
 この場合、疑わしい粘膜が正常ならば黒く染まりますが、何か異常の場合は白っぽく残ります。この部分より色素をとり、がんの確認を行います。続いて進展度や外科的処置の可否を決めるため、超音波内視鏡、CT、気管支鏡などを行います。
 治療については、早期食道がんでは内視鏡的食道粘膜切除術が第一選択とされています。進行がんの場合、原則的に外科的手術が行われます。しかし、大変大きな難しい手術になります。
杉原 洋一   



                                
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