
|
平成16年3月25日に開催した、本会第158回定例代議員会で「奈良県医師会禁煙宣言」について採択されました。 今後、本会が率先して、タバコの有害性について、正しい知識を県民に普及啓発し、特に、未成年者、妊婦に対しての喫煙防止を推進することになりました。 ―たばこのない健康日本をめざして― 1.医師及び医療関係者の禁煙を推進するとともに、医学生や看護学生に対する禁煙教育を推進します。 2.医療機関および医師会関連施設の全面禁煙を推進します。また、医師会が主催する会合はすべて禁煙とします。 3.受動喫煙による健康被害からたばこを吸わない人を守ります。 4.たばこの有害性について、正しい知識を県民に普及啓発します。特に未成年者、妊婦に対して喫煙防止を推進します。 5.学校敷地内全面禁煙を教育委員会等に要請します。 6.喫煙防止教育や禁煙指導をおこなう医師を養成します。 7.禁煙を支援する医療機関の育成充実に努めます。 8.喫煙者に喫煙マナーの厳守を求めます。 9.禁煙を推進するため、自治体等関係各方面に働きかけを行います。 平成16年3月25日 〒634-8502 奈良県橿原市内膳町5-5-8 TEL 0744−22−8502 FAX 0744−23−7796 http://www.nara.med.or.jp/ はじめに 喫煙の習慣は、コロンブスによって西インド諸島で見い出され、ヨーロッパを経由して日本にもたらされたものです。ですから、神代から受け継がれた飲酒の習慣とは異なり、日本においては高々400年余の歴史しかありません。江戸前期、貝原益軒のようにたばこの有害性を指摘する人もいたのですが、当時の平均寿命は30歳未満、昭和の初期でも50歳前後しかなく、たばこの本当の怖さに気づかないまま、日本人を含め世界中の人々が喫煙を続けてきました。しかし、第二次世界大戦後、平均寿命が急速に伸長するなかで、喫煙の有害性、毒性が認識されるようになってきました。 現在では、日本人の三大死因である、がん、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)、心疾患(心筋梗塞等)をはじめとして脂質代謝異常、動脈硬化症、呼吸器疾患、歯周病など、喫煙はさまざまな病気の危険因子として指摘されています。ことに、喫煙者の肺がん死亡の危険率は非喫煙者に比べ4〜5倍高く、日本人の肺がんの死亡者数は全がん死亡のなかでトップをしめるに至っています。欧米では喫煙の減少にともなって、肺がんの死亡者数は減少しつつありますが、日本では成人男性のほぼ半数が喫煙し、男女とも20〜30歳代の喫煙率が上昇しつつある現状は大変由々しき事態です。 喫煙を始めると止めたくても止められなくなるニコチン依存症(ニコチン中毒)は、若い脳の持ち主、とくに20歳代までの喫煙で発症しやすく、未成年者の喫煙は非常に危険です。さらに、受動喫煙により非喫煙者の発がん率が高まるなど、たばこを吸わない人にも健康被害を及ぼしていることが分かっています。 今回、奈良県医師会は、県民の健康と生命を守るため、喫煙による健康被害のない社会をめざして、先頭に立って取り組んで行くことを決意し、第158回奈良県医師会定例代議員会(平成16年3月25日開催)において、全9項からなる「奈良県医師会禁煙宣言」を採択しました。 奈良県医師会禁煙宣言の趣旨 1.医師及び医療関係者の禁煙を推進するとともに、医学生や看護学生に対する禁煙教育を推進します。 国民の健康を守る医療人としての倫理的立場から、医師および医療関係者、さらに、医学生、看護学生は喫煙すべきではありません。とくに医学生、看護学生は将来の医療をになう立場にあり、喫煙禁煙に関して正しい認識を持つ必要があります。 2.医療機関および医師会関連施設の全面禁煙を推進します。また、医師会が主催する 会合はすべて禁煙とします。 保健医療施設は、喫煙による健康被害から県民を守る立場上、そして健康教育の 観点から、完全分煙ではなお不十分であり、全面禁煙すべきです。 奈良県医師会館もすでに完全分煙を実施してまいりましたが、平成16年4月1日より 館内全面禁煙とします。また、医師会が主催する会合はすべて禁煙とします。 3. 受動喫煙による健康被害からたばこを吸わない人を守ります。 健康増進法第25条が県内全域においてくまなく遵守されるよう、周知徹底と分煙化・ 禁煙化の推進を支援します。 4.たばこの有害性について、正しい知識を県民に普及啓発します。 特に未成年者、妊婦に対して喫煙防止を推進します。 20〜30歳代の青壮年男女の喫煙率は年々増加しています。若い世代の喫煙を 防止するには、未成年の段階でたばこの有害性について、正しい知識を啓発するこ とが大切です。 また、胎児や乳幼児に対するたばこの有害性についても広く周知徹底するとともに、 妊婦および妊婦を取り巻く家族に強く禁煙を求め、あわせて禁煙方法を紹介します。 5.学校敷地内全面禁煙を教育委員会等に要請します。 未成年者の喫煙防止のために、奈良県内すべての教育委員会に対して学校敷地 内全面禁煙を要請します。また、県内の国立や私立の学校にも、同様の学校敷地 内全面禁煙を要請します。 隣県和歌山の事例を挙げるまでもなく、教育委員会の主導で速やかに県、各市町 村一斉に学校敷地内全面禁煙が実施されるべきです。 6.喫煙防止教育や禁煙指導をおこなう医師を養成します。 未成年者への喫煙防止教育を支援提供し、禁煙指導を実施する「奈良県禁煙指導 医研究会」の活動を支援します。 7.禁煙を支援する医療機関の育成充実に努めます。 奈良県内では、すでに223医療機関 (平成16年2月現在)が禁煙希望者のために 禁煙支援を開始しています。 「奈良県インターネットHP すこやかネットNARAなら奈良」 では禁煙支援を実施 する医療機関名が公表されていますが、さらなる育成充実に努め、禁煙支援を積極 的に提供します。 (http://www.pref.nara.jp/) 8.喫煙者に喫煙マナーの厳守を求めます。 喫煙マナーとは、受動喫煙の有害性に配慮し、他の人がいる場では喫煙しないこと であり、歩行中の喫煙やたばこのポイ捨てをしないことであり、大切な家族や周囲の 人を受動喫煙の危険に曝さないことです。 喫煙者に対しては、こうした高いモラルを求めます。 9.禁煙を推進するため、自治体等関係各方面に働きかけを行います。 たばこ販売価格の大幅値上げ、たばこ税の増税を要請します。 自動販売機での販売を禁止して対面販売を徹底するよう要請します。 道路上で喫煙する行為および道路上に吸い殻を捨てる (ポイ捨て)行為を禁止する 条例を制定し、違反者から罰金を徴収するよう要請します。 たばこ広告の禁止、たばこ警告表示の表現をさらに厳しいものとするよう要請します。 WHO「たばこ規制枠組み条約」の早期批准を要請します。 |