消化器疾患ー最近の話題

奈良県立以下大学第三内科

山尾 純一

 病診連携の重要性が唱えられて久しいが、当科におけるこれまでの取り組み方にいささかの疑問余地なしとはいえない。医局員全員が取り組むべき大きな課題であると考えている。そこで今回は、奈良県立医科大学第三内科の診療内容を総花的に盛り込んだ内容とし、先生方のご批判を仰いだ次第である。突き詰めれば、スライドの二枚目に大学勤務医局員の顔写真を、さらに三枚目のスライドで奈良県立医科大学第三内科の週間予定表を出させて頂いた。今回の話はこれに尽きるのではないかとすら考えるが、蛇足を承知で最近の当科における診療の内容に関する話題を紹介させて頂いた。すなわち、肝疾患に関しては、臨床研究ペリンドプリン投与による慢性C型肝炎における線維化抑制の試み、ペリンドプリン、グラケー併用投与による肝発癌制御の試み、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の現状、肝癌穿刺治療の現状を報告した。また、消化管に関しては、細径内視鏡による径鼻的内視鏡挿入法、Non H. pylori non NSAIDs 潰瘍の臨床病理学的検討、EMR(内視鏡的粘膜切除術)の現状、超音波内視鏡下吸引細胞診の試み等を紹介させて頂いた。今回は、これらの詳細な内容よりも、当科が現時点で興味を持ち積極的に取り組んでいる課題を紹介させて頂くことにより、先生方の日常診療との接点を探ることに主眼を置いたつもりである。もし、これらの内容に興味がわかれた際には、お気軽にお声をかけて頂ければ、望外の喜びであります。