平成18年3月25日
「内科領域からみた骨粗髭症」
(財)・田附興風会医学研究所北野病院 糖尿病・内分泌センター
      京都大学医学部糖尿病・栄養内科
                越山裕行先生
  1. 骨代謝について:骨形成と骨吸収
    骨は、骨形成と骨吸収のバランスからそのホメオスターシスは保たれている。高回転型では骨形成と骨吸収の両者が亢進するが後者の亢進が優位となる。低回転型では骨形成と骨吸収の両者が低下するが後者の低下が優位となる。
    T型=高回転=閉経後、U型=低回転=加齢とされた時期もあるが、実際の病態にはそぐわない。
     骨のリモデリングは、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収から成る。PTH,ビタミンDは骨芽細胞に受容体があるため、骨芽細胞から破骨細胞へ情報を送るホルモンが古くから想定されていたが、日本の研究グループによりRANKL(receptor activator of NFκB ligand)として同定された。

  2. 骨粗転症の成因および意義
     
    • 定義
      骨粗鬆症とは低骨量で、かつ骨組織の微細構達が変化し、そのため骨が脆くなり骨折しやすくなった病態を指す。錐体骨折により低身長、脊椎の後彎を来すとともに他の部位、特に大腿頚部の骨折の危険が増す。
    • 意義
      医療経済学的には骨折は老人の寝たきりの大きな原因であることより、骨折を予防することは多大な医療費の節約になる。また骨折のみでなく骨粗鬆症のみでQOLは低下する

  3. 続発性骨粗髭症の各論
    • バセドウ病
    • 原発性副甲状腺機能亢進症
    • 性腺機能低下症

  4. 骨粗鬆症の治療
    • ビタミンD
    • ビスフォスネート製剤
    • SERM
    • その他
    • 併用療法について

  5. 糖尿病と骨

  6. 骨代謝をめぐる最近の話題
    • 骨粗鬆症の脂質仮説
    • 臓器間の連関
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