【はじめに】
皆様もご存知のように乳癌の分野においては診断から治療までここ数年で飛躍的な進歩を遂げています。市立奈良病院でも最新の乳癌診療を行うべく努力しておりますが、当院の成績やレビュ一を交えながらお話させていただきたいと思います。
【診断について】
平成16年より奈良.県においてもマンモグラフィ一併用検診が導入されるようになりました。それによって従来の視触診検診では見つからなかった、腫瘤非触知乳癌が発.見されるようになりました。腫瘤非触知乳癌の診断にはマンモトーム生検が大きな役割をはたしています。その功罪についてお話したいと思います。
【治療について】
ご存知のように乳癌治療は手術を中心とした局所療法から、ホルモン治療、抗癌剤治療を中心とした全身療法にシフトしています。その中で手術療法では、より整容性に優れた内視鏡補助手術が導入されております。また比較的早期の乳癌患者に対しては、センチネルリンパ節生検を導入し、腋窩リンパ節郭清の省略も行われるようになりました。また従来温存手術が不可能であった症例に対しても術前抗癌剤治療の導入で温存手術の割合が増えております。このようなことを中心にお話したいと思います。
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