平成27年2月28日
「高井病院整形外科紹介と整形外科治療の変遷と問題点」
社会医療法人 高清会 高井病院 副院長   高井 哲郎先生
 

 高井病院での二〇一三年度の全手術例数二二六三例、内整形外科一〇七六例でした。整形外科内では大腿骨頚部骨折が一番多く一八九例でした。骨粗鬆症の患者による骨折が大半でした。人工股関節一四例、人工膝関節二〇例、脊椎五〇例でした。大腿骨頚部骨折の年齢別では八〇代 四七%、七〇代 二三%、九〇代 二一%の順でした。
 当院では内側型のはキャニュレイテッドスクリュー(Garden1-2)人工骨頭(Garden3-4)、外側型にはガンマーネイルCHSを使用しています。ガンマーネイルCHSの手術には2方向イメージが必須であること、それぞれの手術法を説明した。
 この三〇年間の整形外科手術の進歩として、大腿骨頚部骨折のインプラントがより骨折部の固定制を保ちながら、常に圧迫力がかかる構造に進化、ロッキングプレートの登場、TKA、THAのインプラントの骨親和性の向上により術後のゆるみの減少、人工骨頭がモノポーラー型からバイポーラー型への改造をあげた。
 高齢者における骨折の手術の問題点として、術中術後の全身状態が悪化しやすいこと、血栓阻止剤内服の注意、DVTからの肺塞栓症、認知症患者への手術の必要性などをあげた。
 現代医療の問題点として、介護難民の増加、DPCによる合併症の治療の限界、骨密度の低下、サルコペニア、ロコモティブ症候群と老化との関係をあげた。
 骨粗鬆症の検査法、治療法、さらに薬剤の副作用をあげた。
 高井病院整形外科での最近の手術例としてホムズガンマーネイル、TKA、PLIF、L1チャンス骨折に対するペディキュラースクリュー固定、頸椎脊柱管内出血除去術、人工骨頭置換術などの術中写真を紹介した。最後に天理医師会の先生方並びに中外製薬の方々に講演の機会を与えてもらったことに謝辞を述べた。



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