平成30年9月29日 |
「高齢者と睡眠薬」 |
奈良県立医科大学 精神医学講座 芳野 浩樹先生 |
奈良医大の精神科の患者のうち三五%が高齢者である。加齢に伴う睡眠構築の変化→高齢者では深い睡眠が少なくなり、寝た気がしなくなる。高齢者の不眠の原因、個々で何が原因なのかを知る必要がある。 不眠症治療薬について個々に詳しく説明する。 ○GABA作動薬について 作用時間が短くても翌日への持越しリスクがある。高齢者の臀部骨折はBZ使用と相関がある。あえて使うのであればnon-BZ(マイスリー、ルネスタ、アモバン)。 日本での診療報酬改定があり、規制をかけていく方向である。 ○メラトニン作動薬 高齢者ではメラトニンの分泌量が減少する。 認知症患者ではメラトニン分泌量も少なく日内変動のパターンがバラバラになるので、こういった状態を整えるのがロゼレムのメリット ○オレキシン受容体拮抗薬 オレキシンという覚醒のみを抑えるため、自然な眠りができる薬剤。 脳波に対する影響をみてもマイスリーでは脳波に影響があるがBELは影響無し。 アルツハイマーやMCIではアミロイドβ増加するが、ベルソムラで寝てもらうことでアミロイドβ減少する。 まとめ 高齢者に適した睡眠薬 GABA作動薬では副作用(転倒、せん妄、依存など)が問題となる こういった問題の少ない新しい眠剤であるベルソムラを役立てるべき。 |
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