重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

 中国において2009年頃より発生が報告され、2011年に初めて原因ウイルスが特定された新しいダニ媒介性疾患「重症熱性血小板減少症候群(Severe Feverwith Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)」の症例が日本国内において複数例確認されています。
 このことから厚労省ではホームページ内に専用ページを開設し、本疾患の症状や検査所見等を示したQ&Aや国内確認状況等が掲載されています。

 また、本疾患が4類感染症に指定される等、感染症法施行令の一部が改正され、平成25年3月4日から施行されています。本疾患と診断した場合は直ちに保健所に届け出を行う必要がありますので、ご留意くださるようお願いいたします。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の概要

潜伏期間

(マダニに咬まれてから)6日~2週間程度

症 状

原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こす。

検査所見の特徴等

38度以上の発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)を呈し、血液検査所見で血小板減少(10万/m㎥未満)、白血球減少(4000/m㎥未満)および血清酵素(AST、ALT、LDHのいずれも)の上昇が見られる場合は、本疾患を疑うことが重要。確定診断にはウイルス学的検査が必要である。
なお、患者がマダニに咬まれたことに気がついていなかったり、刺し口が見つからなかったりする場合も多くある。

治療方法

有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法が主体。中国では、リバビリンが使用されているが効果は確認されていない。

患者を取り扱う上での注意点

中国では、患者血液との直接接触が原因と考えられるヒト―ヒト感染の事例も報告されているので、接触予防策の遵守が重要。飛沫感染や空気感染の報告はないので、それらの予防策は必要ないと考えられている。

 

感染症法施行令の改正内容

主な内容

【4類感染症の指定】
重症熱性血小板減少症(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る)を4類感染症に指定すること(第1条関係)。

【3種病原体等の指定】
フレボウイルス属SFTSウイルスを3種病原体等に指定すること(第2条関係)。

施行期日

平成25年3月4日

※この改正に伴い、感染症発生動向調査事業実施要綱」および「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について」の別紙「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」も改正されています。

 

○詳細は厚生労働省ホームページ「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」をご参照ください。