緑内障は徐々に視野が狭くなる目の病気です。国内では中途失明の原因として2002年から緑内障が1位となっており、推定の患者数は465万人と言われています。
緑内障という名前の由来については諸説あります。古代ギリシャのヒポクラテスが「目が地中海の海のように青くなり、やがて失明状態となる」と記述している説。急性の緑内障で眼圧が上がると、黒目の角膜が濁って緑色に見えるという説があります。
急性緑内障発作では目の痛み、かすみ以外に頭痛、吐き気があります。このような症状がある時は早めに眼科を受診してください。
発作が起こるのは夜が多く、うつ伏せの姿勢や風邪薬などを飲んだときに起こりやすくなります。
一方で多くの緑内障は眼圧が正常範囲の正常眼圧緑内障です。視野検査で視野の欠損が確認されれば、緑内障とほぼ確定されます。また近年は新しい検査機器によって、早期診断できることが増えてきました。
OCT(光干渉断層計)では近赤外線レーザーを用いて、眼底の視神経乳頭の周囲の厚みを正確に測定します。この検査で視野に異常がない時期にも、眼底には緑内障の変化がすでに起こっていることが分かりました。
2017年に改訂された緑内障診療ガイドラインでは「前視野緑内障」という病名が追記されています。これはOCT検査の普及により、視野に異常がない早期の緑内障(=前視野緑内障)が発見されるようになったためです。
すべての前視野緑内障に治療が必要なわけではありませんが、将来悪化すると予想される場合は治療を行います。
緑内障の初期は自覚症状がないことが多く、40歳をすぎたら一度、眼底検査を含む健診または眼科受診をおすすめします。