血栓症を予防しよう

血栓とは血管内にできた血の塊で、ケガをしたときに傷口にできる瘡蓋(かさぶた)のようなものです。血栓が突然、血管に詰まって血液が流れなくなり、その先の臓器・組織に障害を起こす病気を血栓症と呼びます。

血栓のできる血管により様々な病気を発症しますが、なかでも脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞(しんきんこうそく)、肺梗塞(はいこうそく)などは大変重篤(じゅうとく)な病気で、重い後遺症が残ったり、突然死にいたることもあります。

血栓症を予防するためには、水分を十分に補給することが大切です。熱中症などの脱水状態では、血液はドロドロになり、血栓ができやすくなります。さらに、下肢を積極的に動かして血液を滞らせないように注意しましょう。長時間のデスクワークや乗り物移動では、時々足首を曲げ伸ばししたり、両脚のマッサージが有効です。また正常の血管は、その内面を内膜という一層の「サラサラシート」に覆われていて、血管内は血栓が出来にくい状態に保たれています。しかし、加齢や喫煙、過度のストレスやアルコール、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)により傷つきやすくなり、その部位に血栓を生じます。定期的に健康診断を受け、日常の生活習慣改善に努めましょう。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止による外出自粛が続き、ストレスが多いうえに運動不足や過食のため体重が増えている方が多いようです。夏は水分不足状態にもなりやすく、血栓ができるリスクが高まります。十分な注意と対策をお願いします。