インフルエンザ

現在、新型コロナウイルスが猛威をふるっていますが、毎年冬になるとインフルエンザの流行が始まります。今年の冬は同時に流行する可能性があるため、インフルエンザのワクチンは接種すべきでしょう。

しかし、そもそもインフルエンザウイルスはどこからやって来て、世界中に広がっていくのでしょう? 諸説あるようですが、最も信憑性(しんぴょうせい)が高いと考えられているのが次の説です。北極圏にある渡りガモの営巣地(えいそうち)の湖沼にはインフルエンザウイルスが常に存在し、そこで新しく生まれたヒナはウイルスの洗礼を受け、成鳥となって南に渡っていく。カモは中国南部にたどり着き、アヒルなどの家禽(かきん)に感染し、さらにブタに感染する。ブタはヒトのウイルスにも感染するため、ブタの体内で2つのウイルス間に遺伝子の交換が起こる。こうして新しいインフルエンザウイルスが発生するということです。

歴史を辿れば、紀元前412年のヒポクラテスの時代の記録が残っています。我が国では、平安時代や鎌倉時代の記録にインフルエンザが疑われる記述があるようです。また、「北辰一刀流」免許皆伝の坂本龍馬が切り倒されたのは、梅毒による神経症状以外に流感(インフルエンザ)に罹っていたためという説もあります。

このように長い期間戦ってきて未だに制御しきれていないとは、ウイルスはなんてやっかいなものなのでしょう。新型コロナウイルスに関しても気長に付き合っていかなければならないのかも知れません。