冬は便秘になりやすいとされています。その原因として、おなかが冷えて動きが悪くなること、寒くなって運動する機会が減ること、水分摂取量が減少すること等が考えられます。また、高齢になるほどそれらの条件を満たし易く、元々便秘傾向の人は特に注意が必要です。
便秘を解消するために食物繊維の多い食事をしたり、運動する等が最善ですが、なかなかうまくいかない時には便秘治療薬を使用することになると思います。中でも内服薬は簡便で、市販薬も多数販売されています。内服薬は刺激性下剤と非刺激性下剤の2種類に大別されます。刺激性下剤はその名前の通り腸粘膜や神経を刺激して腸の運動を活発にして排便を促すもので、センナ、センノシドなどが代表的なものです。漢方薬の下剤もこれに含まれます。非刺激性の下剤は、腸内に水分を集めて、便を軟らかくして排便を促す物で、代表的なものは酸化マグネシウムです。市販薬はそのどちらか、もしくは両方を配合しているものになります。
医療機関で使用される内服便秘薬、特に非刺激性下剤は最近になり様々な種類が開発され、使用されるようになってきました。先に挙げた酸化マグネシウムを含む塩類下剤だけでなく、腸液分泌を促進する新しい薬や、胆汁成分の再吸収を抑えることで腸内の水分を分泌亢進させる種類などもあります。従来の便秘薬や、市販薬で満足していない人は一度かかりつけの医師に相談してみてください。また、便秘そのものは様々な要因から生じるものですので、その精査をすることも忘れないでください。