2月17日より新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されました。接種順序はまず医療従事者、次に65歳以上の高齢者、続いて基礎疾患のある方や高齢者施設従事者、そして一般の方々の予定です。
日本では3種類のワクチンが予定されており、最初に輸入されるファイザー社のワクチンについて説明します。
接種対象は16歳以上、21日間隔で2回の筋肉注射を行います。米国での報告では発症予防効果は約95%とされています。これはワクチンを接種しない場合と比べ、発症する人が95%減り、5%すなわち20分の1になることで画期的な効果と言えます。
副反応は注射部位の痛みや腫れが80-90%、全身症状(倦怠感、頭痛、筋肉痛、発熱など)が50-80%とされています。これらの全身症状は通常、接種後2日以内に自然に軽快します。
重大な副作用として約200万回接種で21回(約10万回に1回)のアナフィラキシー反応(全身じんま疹や喘息様症状など)が発生しましたが、応急処置により死亡例はありません。アナフィラキシー反応の大半が接種後15~30分以内に生じていますので、その間は待機することが必要です。
ワクチンによる長期間の効果や副反応はまだ分かっていませんが、新型コロナウイルス感染拡大が進む中、接種する意義は大きいと思います。接種した本人はもとより、接種率が人口の60%を越えれば接種していない人も感染しにくくなる(集団免疫といいます)ことも期待されます。