肺炎を予防しましょう

肺炎は日本人の死因の第3位を占め、今でも毎年10万人以上の方が亡くなる恐ろしい病気です。肺炎で亡くなる方のほとんどは65歳以上の高齢者で、加齢に伴い免疫力が低下するうえに、高齢者では糖尿病や心疾患、慢性呼吸器疾患などを高い割合で合併することが重症化しやすい原因と考えられています。

また、高齢者の肺炎では発熱や咳、痰といった典型的な症状が現れず、発見が遅れることがあるので注意が必要です。

肺炎は風邪やインフルエンザに引き続き発症することが多いので、うがいや手洗いをこまめに行い、規則正しい健康的な生活を送ることで風邪をひかないようにすることが肺炎の予防につながります。

禁煙は肺炎の発症や重症化を予防する効果があります。

また高齢者の肺炎は、食べ物や唾液を肺のほうに吸い込む〝誤嚥〟が関係することが多いので、口腔内を清潔に保つことが肺炎の予防には重要です。

肺炎を引き起こす病原体には多くの種類がありますが、その中でも肺炎球菌という細菌によるものが最も多いとされています。この肺炎球菌による肺炎の予防にはワクチンが効果的です。最近では抗生物質が効きにくい肺炎球菌が増えており、ワクチンによる予防の重要性が益々高まっています。一度の接種で5年以上は効果が持続すると言われているので、接種を希望される方はかかりつけの医師にご相談ください。