最近、味覚障害を訴える人が増えてきています。特に、中高年の女性に多い傾向があります。原因として、「亜鉛摂取不足」「薬の副作用」「全身疾患(糖尿病、肝臓疾患、腎臓病、胃腸疾患など)」「口腔疾患(ドライマウスなど)」「心因性ストレス、うつ病など」「鉄欠乏性貧血」などがあります。この中で「薬の副作用」と「全身疾患」については、亜鉛の吸収低下や亜鉛の排泄増加などが考えられています。味覚障害の半分以上は亜鉛不足が関係しているのです。
最近は過度なダイエット、ファストフードや加工食品の摂りすぎなどが原因で、亜鉛摂取不足となっている人が増えています。また、過度な運動も亜鉛不足をまねく事があります。
前述した様に、「薬の副作用」も亜鉛不足の大きな原因となっています。主な
ものとして降圧剤、利尿剤、解熱鎮痛剤、抗菌剤、糖尿病治療薬があります。一般の薬局で売られている薬にも、亜鉛不足をまねくものが多数あります。ただし、味覚異常がある場合でも、自己判断での服薬中止はせず、必ず主治医や薬剤師とよく相談してください。
味覚障害は自然に治る事も多いですが、長く続く方は、一度耳鼻咽喉科もしくは内科でご相談ください。
なお皆さんもご存じのように、新型コロナウイルス感染でも嗅覚・味覚障害が起こる事があります。急に味覚障害が出てきた場合には、周囲への感染防止のため、医療機関を直接受診する前に必ず「新型コロナ・発熱患者受診相談窓口」や「かかりつけ医」などに電話でご相談ください。