「漢方薬」は天然に存在する生薬(しょうやく)の組み合わせで出来ており、自然治癒力を高め、体調を整えます。
「漢方医学」では、患者さんを病名で診断するだけでなく、一人一人の体質や病気の状態を見きわめながら、最適な漢方薬を使い分けていく、いわゆる「オーダーメード」の治療を行います。古代からの経験をもとにした理論体系に基づき、患者さんの症状に応じて複数の生薬を組み合わせて使うことが多いため、一つの漢方薬でさまざまな症状を治す、複合的な効果が期待されます。
漢方治療では痛みを抑えるのみではなく血液の澱みや循環を改善して痛みを軽減し体調を整えます。慢性腰痛は漢方薬が適しています。皮膚が乾燥し下肢がつるような腰痛は疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)が適しています。口渇、頻尿、足の冷えやしびれがある腰痛には八味地黄丸(ハチミジオウガン)や牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)が用いられます。しもやけができる手足の冷えがあり寒冷で増強する腰痛には当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)が使われます。
漢方薬にも副作用があり、麻黄(マオウ)は動悸をおこすことがあり、甘草(カンゾウ)でむくみがでたり血圧があがることがあります。 また内服中一時的に予期しない症状が出ることがあります。これは瞑眩(めいげん)といい病気がよくなる前に一時的に不快な症状が出ることがあります。副作用か、瞑眩かの判断は難しいので医師と相談してください。