あなたの腎臓はお元気ですか?

 慢性腎臓病(まんせいじんぞうびょう:CKD)という病気をご存知ですか? CKDは今や国民の8人に1人でみられる病気です。しかし、残念なことに、自分がCKDであることをご存知ない方が多くおられます。なぜでしょう?
 それは、CKDはかなり進行するまでは全く自覚症状がないからです。

 では、どうすれば自分がCKDであるかどうか分かるでしょう? CKDの診断には尿検査と血液検査が必要です。尿検査で尿にタンパクや血がもれていないか調べます。また、血液検査で血清クレアチニン値を測定し、推定糸球体濾過値(すいていしきゅうたいろかち:GFR)を計算します。このGFRが皆さんの腎臓の働きの指標です。GFRは概ね100が正常値です。GFRが10を下回るようになると透析(とうせき)などの準備が必要です。

 CKDは放置するとゆっくり進行し、特にGFRが50を下回ると腎機能が加速度的に低下します。それだけではありません。CKDになると心血管病[心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳卒中(のうそっちゅう)など]になりやすくなります。つまり、CKDになっている方は、より厳重な血圧・血糖・コレステロールの管理が必要です。
また、CKDは早期発見が重要です。早期に適切な治療を開始するとCKDの進行を食い止められる可能性があるからです。

 繰り返しますが、CKDは尿検査や採血をしないと診断できません。奈良県では加入されている健康保険により、特定健診で尿検査とGFRが分かるようになっています。ぜひ健診を受けてCKDを早期に発見し、元気な腎臓を維持しましょう。