医療の第一の役割といえば、人の身体の不具合を、生物医学的な知識・知恵を使って「治しにかかる」ことですが、一方では「つらさを和らげる」ために行う様々な行為をも含みます。
医療は、病院に入院して受ける「入院医療」と、通院して受ける「外来医療」、そして、わが家で受ける「在宅医療」とに分けることができます。
「入院医療」は、重症あるいは急性期疾患を扱う「急性期病院」や、ゆっくりと療養のあり方も含めて疾患を扱う「慢性期病院」の中で行われるもので、社会復帰を目標にする入院リハビリも含まれます。
「外来医療」は、このような病院では、入院医療と密接に関連しながら外来部門が担うことになります。一方、診療所や医院(クリニック)では、病院と連携し、あるいは、独自に外来診療が行われます。療養者は生活の合間を縫って病院や診療所や医院に通院し、診療を受けることになります。
「在宅医療」は、医師や看護師などが療養者の自宅に「出向き」、「日常生活の中で」、療養者に医療的援助をする仕組みです。訪問歯科診療や訪問リハビリなどのほか、多くの場合、介護や福祉の制度を利用しながら行われます。自宅での一生の終わりを含めた医療でもあり、医療を施す側も受ける側も、治すことだけが医療の役目ではないことに気づくことになります。
在宅療養支援を志す病院、診療所や医院、連携する訪問看護ステーションなどが担う医療の形であり、今後の進展が予想されています。