食事中にむせたり、咳(せき)こんだりすることが多くなったと感じている中高年以降の方、もしかすると嚥下(えんげ)障害かもしれません。
嚥下とは、食物を歯で細かく噛み砕き、舌によって奥に運び、飲み込んで咽頭(いんとう)を通過し、食道に入れる一連の動作ですが、それがスムーズに進まない現象を嚥下障害といいます。
食べものや水を飲み込む際、食道と喉頭(こうとう)・気管は隣り合っているため、それらが誤って気管に入らないよう喉頭のフタ(喉(こう)頭(とう)蓋(がい))が自動的に閉まるようになっています。
しかし、これらがうまく機能しなくなり、誤って気道内に吸い込んでしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいますが、これを防ぐため、私達は、むせたり、咳をして、かろうじて気管への流入を防いでいます。
口腔や咽頭・喉頭・食道の腫瘍(しゅよう)、脳(のう)梗塞(こうそく)の後遺症(こういしょう)や、老化などで飲み込む力が弱りますと嚥下障害が起こり、食物をとりにくくなったり、脱水や低栄養になります。 そんな状態で無理に食べると、命に関わる誤嚥性肺炎や食物による窒息も引き起こしかねません。
65歳以上の方を対象とする生活機能評価では反復唾液嚥下テスト検査が行われ、唾液を30秒間に3回以上嚥下できたら正常とされています。ご自分でお試しください。
食事でむせる回数が多くなり嚥下障害が気になったら、かかりつけの医師に相談しましょう。