帯状疱疹(たいじょうほうしん)

 子どもの頃、水痘(すいとう)に罹った方が多いと思いますが、原因は水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染したためで、発熱と赤みを伴う小さな水疱(すいほう)が、ほぼ全身に現れます。

 しかし、水痘が治った後もこのウイルスは体内から消えずに残り、神経節(しんけいせつ)と呼ばれる神経と神経をつなぐ間に潜(ひそ)んでいます。その後、このウイルスに対して体の免疫力が保たれている間は症状が現れませんが、ストレス、疲労、老化のほか、抗がん剤などの免疫力を抑える薬を使用した時などに免疫力が低下すると、潜んでいる水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活動し、帯状疱疹と言われる痛みを伴う小さい水疱の集まりが皮膚に現れます。また、悪化し重症になると、神経に沿って水疱が帯状に広範囲に広がり、血の混じった水疱もでき、病気の程度で入院が必要なこともあります。水疱は体のどこにもでき、主には胸から背中にかけてですが、頭・顔や手・足にも現れます。

 帯状疱疹の治療は、痛みを取る事と、ウイルスの広がりを抑える抗ウイルス薬を使用する事で多くは約2~4週間で治ります。

 しかし、神経障害の程度により、後遺症として帯状疱疹後神経痛と言われる痛みが続き、また顔にできると顔面(がんめん)神経(しんけい)麻痺(まひ)などが起こることがあり、注意が必要です。

 帯状疱疹は早く診断し、早期に抗ウイルス薬を服用することで、皮膚症状の改善や帯状疱疹後神経痛の予防にも役立ちます。

 痛みがあり、皮膚に赤い斑点(はんてん)、水ぶくれの集まりが出てきたら、放置せず早く医療機関を受診してください。