尿中微量アルブミン検査

 「尿中微量アルブミン検査」をご存じですか?この検査は糖尿病をもっておられる方が年に1―2回は受けていただく必要がある検査です。 糖尿病が腎臓(じんぞう)を悪くすることは皆さんご存じですね。

糖尿病患者数の増加に伴い、糖尿病が原因で腎臓が悪くなる患者さんも増加しています。発症して5―10年くらいたつと、「微量アルブミン」と呼ばれる物質が尿に出てくる場合があります。微量アルブミンは、一般的な尿検査では検出できないほど少量で、「尿中微量アルブミン検査」を受けないとわかりません。

 尿に微量アルブミンが漏(も)れ出すということは、腎臓が糖尿病によって障害を受け始めたことを意味します。糖尿病による腎障害(糖尿病性腎症)は、放置すると腎不全(じんふぜん)を発症し、透析(とうせき)や腎移植(じんいしょく)が必要となりますが、近年では、糖尿病性腎症を早期に発見すれば、高い確率で進行を予防できることがわかっています。

 早期診断に最も有用な検査が「尿中微量アルブミン検査」です。これは、検尿と同じように尿を採取していただくだけでできる簡易な検査です。微量アルブミンが尿中に漏れ出す早期の段階で糖尿病性腎症が診断できれば、腎障害を治すことが可能です。糖尿病で治療を受けておられる皆さんは、年に最低1回は「尿中微量アルブミン検査」を受けてください。

 糖尿病患者さんにとって、「尿中微量アルブミン検査」は目の検査とともにどうしても必要な定期検診です。ぜひ、かかりつけの先生にお願いして「尿中微量アルブミン検査」を受けてください。