下肢静脈瘤は下肢(ふくらはぎ・すね)に血管が数珠状(じゅずじょう)に膨(ふく)れたり、浮き出て見える病気です。症状としては、足のだるさ、むくみ、痒(かゆ)みの他、寝ているときに足がつったり、足の皮膚(ひふ)が茶褐色(ちゃかっしょく)になったり(色素沈着)します。女性、高齢者、家族に静脈瘤のある人、立ち仕事の人はこの病気になりやすいといわれています。また、妊娠・出産を契機に発症する場合もあります。
体の末梢(まっしょう)から心臓に還ってくる血管を静脈と呼びますが、これには逆流防止弁があり、足の血液は下から上への一方方向に流れています。この弁が正常に働かないと血液が逆流し、足の下の方に血液が溜(た)まり、そのために静脈が膨れて静脈瘤となります。
対処法としては、日中は長時間の立ち仕事を避(さ)け、ときどき足を心臓より高くして休憩(きゅうけい)しましょう。休憩を取りにくい人は、足踏みをしたり、歩き回ったりすると良いでしょう。夜間はクッションなどを利用し、足を少し高くして休みましょう。静脈瘤のある足は掻(か)き傷や虫刺されが色素沈着や潰瘍(かいよう)の原因となりますので注意してください。また、肥満の方は体重を減らすことで改善することもありますので、適正体重の維持を心がけましょう。
治療法としては、弾性ストッキングによる保存的療法と硬化療法・ストリッピング手術・高位(こうい)結(けっ)さつ療法などの外科的治療やレーザー治療などがあります。保存的療法以外のこれらの治療は血管外科専門施設への受診が必要ですが、まずはかかりつけ医で、治療の適応があるかご相談ください。