がん検診

 検診は自覚症状(じかくしょうじょう)が無い時点で行われることから、がんがまだ進行していない状態で発見することができ、早期にがんを治すことができます。

 一方、症状がでてから受診した場合には、がんが進行している可能性があり、治すことができない場合が多くなります。

 また、がんが見つけにくい場所やわかりにくい形をしている場合には発見できないことがあり、検査の精度も100%ではありません。ただし、初回の検診でがんと診断できなかった場合でも、1年に1回(子宮頸(しきゅうけい)がんと乳がんは2年に1回)検診を受け続けることにより、がんを発見できる確率が高まります。このため、がん検診は1回の受診ではなく、適切な間隔で受け続けることが必要です。

また、検診でがんの疑いがあると判定され、精密検査を行っても、がんが発見されないこともあります。

 精密検査が必要となるのは、がんの疑いを除外するためと、がんであることを確かめるための二つの意味があります。要精密検査とされた場合でも、真にがんと判断される(陽性反応適中度)のは、胃がん検診では1.5%、最も可能性のある子宮頸がん検診でも4.9%にすぎません。多くの人々が「がんではなかった」という結果を受け取ることになります。受診者の方には心理的負担がかかりますが、早期発見・早期治療のためにはある程度やむをえないことではないかと考えられます。