インフルエンザの流行は、例年12月上旬頃から始まり、翌年の1~2月にピークを迎え、3月末から4月にかけて減少していきます。流行するインフルエンザウイルスには、A型とB型があります。
インフルエンザは、感染した人が咳(せき)やくしゃみをした時に、そのウイルスが飛び散って、それを他の人が吸い込むことにより感染します(飛沫感染(ひまつかんせん))。また、感染した人の手に付いたウイルスが、物を介(かい)して他の人の手に付着して、その手で鼻や口を触ることにより感染します(接触感染(せっしょくかんせん))。
感染してから発症までの潜伏期間は1~3日です。症状は突然の38度以上の発熱、寒気、全身のだるさ、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が現れ、同時か少し遅れて鼻水、咳、のどの痛みなどの呼吸器症状が現れます。そして、発熱が3~4日続いた後、1週間程度で落ち着きます。
しかし、喘息(ぜんそく)などの呼吸器の病気や、心臓、腎臓、肝臓に重い病気のある人、糖尿病、ステロイドのような免疫力が低下する薬を服用しているなど、基礎疾患がある人のほか、妊婦、乳幼児、高齢者は肺炎や脳症など重症化することがあります。
予防としては、うがい、手洗いの励行(れいこう)、人ごみを避(さ)ける、睡眠を充分とって体調を整えることを心掛けましょう。流行前に予防接種を受けることも大切です。
とにかく、インフルエンザと思われる症状が出れば、かかりつけ医を受診して検査を受け、陽性であれば抗(こう)インフルエンザ薬を服用しましょう。それにより、発熱や全身症状が1~2日間短縮できますが、発症後48時間以内に服用しなければ効果が弱いため、早期の受診をお勧めします。