寒い季節になると、暖房器具は生活に欠(か)かせないものになります。みなさんの中でも、こたつや電気毛布、カイロなどを使うことが増えてきます。
そんな中で注意したいのが「低温やけど」です。温かくて快適と感じる44度程度の温度であっても3~4時間触(ふ)れ続ければ、皮膚(ひふ)は熱による損傷を受けます。特に寝ている間に使用するアンカでの低温やけどが多いです。睡眠中は感覚が鈍(にぶ)くなり、飲酒後であればなおさらです。また、脚は腕や体幹と比べても感覚が鈍いために一番低温やけどを起こしやすい部位です。
さらに、糖尿病や高齢者になると一段と感覚が鈍くなることでやけどを起こしやすくなるばかりか、血行が悪いためにやけどが治りにくくなるので注意が必要です。
熱いものに瞬間的に触れることで起こすような一般的なやけどと違って、低温やけどは気が付いた時には長時間触れているため、皮膚の損傷は深いことが多く、重症化しやすいのが特徴です。気が付いた時に水で冷やしても、皮膚の下まで深くなったやけどではその効果が得(え)がたく、また皮膚の細胞が死んだため、痛みが感じなくなっていることがありますので、放置せずに医療機関を受診してください。
気付きにくい低温やけどの一番大切なことは予防となります。使い捨てのカイロは衣服の上から貼(は)るようにする、アンカ等も直接皮膚に押し付けないようにタオルや布等で包むようにする、また、夜間や睡眠中には暖房器具をつけっぱなしにはしない等の注意や予防が必要です。
上手に暖房器具を使って、寒い季節を快適に過ごすようにしましょう。