カプセル内視鏡

 みなさんは、カプセル内視鏡をご存知ですか? すでに受けた方もおられるかもしれません。今回は、このカプセル内視鏡について簡単にお話しします。

 消化管(食道・胃・小腸・大腸)検査は、X線による透視検査、上部・下部消化管内視鏡検査などが主流です。カプセル内視鏡は1980年頃からイスラエルで開発が進み、日本でも2007年から小腸用が保険適応となり、検査の数も徐々に増えています。カプセル内視鏡は、現在2種類あり、小腸検査用・大腸検査用に分けられています。小腸用のカプセルは、長さが26㎜、幅が11㎜の大きさでビタミン剤のような形状です。

 検査日に絶食で受診し、受信アンテナを腹部に貼り、記録装置をベルトで腰に巻きます。水でカプセルを飲みこみ検査開始です。検査開始2時間後から水が飲め、4時間後から食事ができます。検査中は普段どおり自由に行動ができます。検査開始8時間が経つと病院に戻り機器をはずします(24時間心電図に似ていますね)。のちに、肛門から排出されたカプセルを回収します。

 大腸カプセル内視鏡は2014年に保険適応になりました。カプセルの大きさは小腸用のものよりやや大きく31×11㎜と長くなっています。検査は病院で行い、記録の仕方はほぼ同じです。ただ、大腸の場合はたくさんの下剤が必要です。通常の大腸内視鏡検査の2倍の量の4Lの下剤を飲まなければなりません。約4時間程度でカプセルは排出されます。

 こうして、記録された画像は医師や専門技師により解析されます。約5万枚以上もの写真が記録されていますので、解析ソフトの開発や写真読影に慣れてもかなりの時間がかかることも事実です。また保険で受けられる適応症例は限られていますので、詳しくは施行施設にお問い合わせください。まだまだ、消化管の検査には一長一短があるようですが、近い将来カプセル内視鏡が当たり前の時代が来るかもしれません。