前立腺(ぜんりつせん)がんの早期発見を!

 前立腺は男性にしかない生殖(せいしょく)器官(きかん)の一部で精液の一部を作っています。 年をとるにつれて肥大することが多くなります。前立腺肥大症や前立腺がんは60歳以上で罹(り)患(かん)率・死亡率ともに増えてきます。

 前立腺がんの原因は不明ですが、脂肪の多い食事が増えてきたことの影響が指摘されています。また、家族内に前立腺がんにかかった方がいる場合、遺伝的にかかりやすい傾向があります。

 良性疾患である前立腺肥大症から前立腺がんに進むことはないとされています。しかし、前立腺肥大症と前立腺がんが併発したり、前立腺肥大症の薬物療法を長期間続けているうちに前立腺がんが見つかることもあります。

 前立腺がんは早期では症状がほとんどありませんが、尿が出にくい、血尿が出るなどの症状が現れるころには、かなり進行していることがあります。

 前立腺がんは比較的進行がゆっくりしているため、高齢で早期がんが見つかったときは、手術はせずに経過を見守ることもしばしばです。ただ、進行してしまうと骨に転移することもあり、がん性疼痛(とうつう)に苦しむことがあります。早期であれば有効な治療方法がありますから、なによりも早期発見が大切です。

 前立腺がんの診断に有用なPSA検査はかかりつけ医での血液検査で簡単に測定できます。50歳を過ぎたら、年に一度はPSA検査を定期的に受けましょう。