結核は、結核菌が体の中に入り増えることで起こる感染症です。空気感染により人から人に伝染しますが、感染しても必ず発病するわけでなく、何十年も経ってから発病することもあります。医学の進歩により患者数は激減しましたが、未だに年間2万人以上の方が結核を発病しています。
主に呼吸器に症状の出る肺結核と、それ以外の臓器が侵される肺外結核に分類され、日本では肺結核が8割以上を占めています。
肺結核の初期症状はカゼに似ており、咳(せき)や痰(たん)、全身のだるさ、微熱などの症状が長く続くことが特徴です。
結核の発病が疑われた場合には、レントゲンや喀痰(かくたん)検査が行われます。また、結核に感染しているかどうかを調べる方法にツベルクリン反応がありますが、最近では血液を使ってより正確に診断することができるようになりました。
結核と診断されたら、数種類のお薬を併用して治療します。治療期間は年齢や病状によって前後しますが、6~9ヶ月が一般的です。痰の中に結核菌が確認された場合、他人にうつす心配がなくなるまでの間、入院して治療を受けるのが原則です。適切に治療すればほとんど治りますが、指示通り薬を服用しなかったり、途中で治療を中断してしまった場合は治りにくくなり、長期の入院が必要となる恐れがあります。医師の指示に従って治療を続けることが非常に重要です。
初期の結核は特徴的な症状に乏しく、発見が遅れて集団発生を引き起こし、社会問題となることがしばしば報告されます。2週間以上咳、痰が続くようなら必ずかかりつけ医を受診してください。