厚生労働省は平成28年4月から、胃がん検診において、胃X線検査(バリウム検査)だけでなく胃内視鏡検査(胃カメラ)も選択できるようにしました。奈良県においても、平成29年4月からこの制度が導入されます。
これまでの胃がん検診(胃X線検診)受診者は、平成26年度では39・6%(国立がんセンターまとめ)にすぎません。胃がん検診の伸び悩む原因として、「胃X線検査がどうしても嫌い」、「胃X線検査は胃内視鏡検査より精度が低いから」、などの理由があげられます。しかし、今回の胃内視鏡検診の導入により受診者が増えることが予想されます。
奈良県は、ただ形式的に胃内視鏡検診を加えるのではなく、質の高い検診を目標としています。胃内視鏡検診を数年前から実施している他府県と比べても、検査担当医師や特に実施医療機関においては高いハードルがもうけられました。したがって検診がスタートする時から、診断や医療機器の管理、安全性においても、質の高い検診が期待できそうです。
最近では、楽に受けられる経鼻内視鏡も普及し、その精度もずいぶん上がりました。あまり考え過ぎず、気楽な気分で胃がん検診を考えてみてはどうでしょうか。さらに、胃がん検診は、一部公費負担(※)されますので経済的にも受けやすくなっています。胃がん検診を考えられている方は、精度の高い胃内視鏡検診もお考えください。
※年齢等、所定の要件があります。