痛風は血液の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続いた後、突然足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛みます。痛みは強く、耐えがたいほどの痛みです。風が患部にあたるだけでも痛みが強まり病名の由来となっています。痛風発作は多くの場合、1週間程度で治まります。しかし大抵1年以内に同様の発作がおこります。発作を繰り返していると、足首や膝の関節まで腫れ、発作の間隔も短くなります。そして関節の痛みだけでなく、関節の周囲や身体に結節ができたり、腎臓が悪くなり、尿路結石ができたりします。また尿酸値の高い状態が続くと、心血管障害や脳血管障害を起こしやすくなります。
痛風の治療には、痛風発作の痛みを抑える治療と、尿酸値を下げる治療(高尿酸血症の治療)という二つの段階があります。
発作の痛みを抑える治療では、主に沈痛作用のある非ステロイド系抗炎症薬を使います。
尿酸値を下げる治療(高尿酸血症の治療)は、痛風発作の痛みが完全に治ってから行います。尿酸を下げる事が痛風発作を誘発する可能性があるからです。
高尿酸血症は、尿酸が過剰に生産されている場合と尿酸が正常に排泄されなくなっている場合、この両方が原因である場合の三つに分類されます。尿酸が過剰に生産されるのを抑える薬物と、尿酸の排泄を促す薬物があり、原因に合ったものが処方されます。
また尿酸値は、食生活と密接な関わりがあるため、食事療法も必要です。1日に摂取する適切なカロリーを知り、栄養のバランスを考え、特にビールのほか、いくらやレバーなどのプリン体を多く含む食品の摂取を控えめにします。1日3食を規則正しく食べ、尿酸の排泄量を増やすために水分を多めにとります。アルコールを控え、塩分を控えめにする事も重要です。
痛風は早期に発見し、正しい治療を受ければ健康な生活が送れます。
定期的に血液検査をし、血清尿酸値が高い場合は主治医と相談し速やかに治療を受けてください。