レジオネラ肺炎

 レジオネラ肺炎は、アメリカの在郷軍人会(ざいごうぐんじんかい)で集団発生した肺炎として発見され、それで、奇妙な名前の在郷軍人病と名づけられました。レジオネラ菌は、土壌や河川などの自然界に普通に生息する細菌です。40度位の滞留した湯の中で増殖しやすく、それは、ちょうどぬるめの風呂が相当します。具体的には、空調設備の冷却塔水、循環式浴場、温泉などです。

 レジオネラ感染症は、菌のいる湯に皮膚で接触したり、飲み込んだりして感染するのではなく、レジオネラ菌を含む霧状のものを吸い込むことで感染するとされています。温浴施設で感染する場合は、ジャグジー、打たせ湯、シャワーが考えられます。

 2~10日の潜伏期で、高熱、咳の一般肺炎症状に加え、呼吸困難、意識障害、多臓器不全になることもあり、死亡率は10~30%です。恐ろしく危険な病気です。しかし、病原体にさらされた誰しもが発症するわけでもなく、レジオネラ肺炎は免疫力が低下した場合に発症しやすいのです。

 奈良県での発生は、2007年3例、2008年5例、2009年4例、2010年なしです。

 全国的には7月に発生が多く、60歳前後の男性が多いのが特徴です。

 真夏に、働き盛りの60歳前後の男性が、過労な仕事をこなし、夜の接待をし、炎天下のゴルフでふらふらになったとき、仕上げに温泉施設でゆっくりしようとすべきではなく、早く帰って寝るのが良いと思われます。