軽度認知障害(以下「MCI」)とは、正常に日常生活を送ることができる人と、認知症の人との境界にある状態を表す言葉です。認知症は、通常物忘れから始まることが多く、判断能力や言語機能、目標や計画をたて実行し、調節、修正しながら完結する機能等の認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を言います。
一方、MCIは記憶力等が低下しても、日常生活にはほとんど支障をきたさない程度の段階で、自立して生活できる状態でもあります。
MCIの原因は様々で、脳の変性により生じるアルツハイマー病等が始まっている場合から、脳にはあまり障害がみられない場合があります。MCIは、正常な人と認知症の人との間に該当します。
MCIは、認知症の早期診断の目安にもなります。現在の医療ではMCIの状態から認知症への進行を防止する方法は確立していませんが、移行しやすいかどうかは、専門医の診察や、脳の画像検査等を受けることである程度の予測ができます。認知症は発症すると日常生活に大きな支障をきたしますが、MCIのように早い段階で診断されれば、進行を防ぐ対策をとることができます。
ご自身や周囲の方が気になる症状がある時は、かかりつけ医に相談ください。