2009年春に発生した、ブタ由来の新型インフルエンザの世界的大流行から8年の時が経ち、今や普通のインフルエンザに変わっています。しかし、新型インフルエンザによる世界的大流行は、今まで10〜40年の周期で起こっており、この先も近い将来、起こる事は、歴史的にみて確実であると考えられます。
現在、新型インフルエンザとして最も懸念されているのが、〝鳥インフルエンザA(H7N9)〟で、日本では2015年1月に感染症新法という法律において2類感染症(結核等と同じ)に追加されており、鳥類で主に中国と香港において冬から春にかけて確認されています。
WHOの発表によりますと、 ヒトにおいてもこの鳥インフルエンザにより、2013年3月から2017年9月13日までの間に、中国ほぼ全土(1554名)を中心に台湾(5名)でも、その感染者が発生しています。また、カナダ(2名)・マレーシア(1名)などでは、輸入感染症(旅行者や輸入食品により海外から持ち込まれる感染症)というかたちで国内に入り込んでしまっています。そして、全世界で少なくとも607名が死亡しています(死亡率38・9%)。しかし、ヒトからヒトへの持続的な感染は認められておらず、日本では発症したヒトがいません。
流行国へ渡航した際に、鳥インフルエンザに罹らないようにするためには、家禽(肉・卵・羽毛などを利用するために飼育されている鳥の総称)との接触を避け、家禽市場や養鶏場にむやみに近づかないことです。さらに、生きた家禽には一切触らず、〝手洗いの励行を徹底する〟ことも必要です。