近年、複数の病気を持つ患者さんが増え、それらに対して多くのお薬を服用する場合があります。よく効いて副作用の少ないお薬が増えている一方、多種類のお薬をのんでいると「薬をやめたい、減らしたい」と思う方がおられるかもしれません。
種類が多くても必要なお薬はきっちりのんでいただかなければなりませんが、「薬をやめたい、減らしたい」と思った場合に、どうすれば安全にお薬をやめたり、減らしたりできるでしょうか。まず考えてみてください。あなたはいろいろな医療機関でお薬をもらっていませんか? 中には、同じような効き目のお薬が複数の医療機関から出されている場合があります。残念ながら、医師は、医療機関が異なるとどんなお薬が出されているかわかりません。
そこで役立つのが「お薬手帳」です。医療機関を受診する場合には必ずお薬手帳を持参しましょう。お薬手帳があると、効果が同じお薬が重複して出されたり、不要なお薬が多くなったりすることを予防できます。
ここまで読むと、「明日から薬をやめよう、減らそう」と思う方がおられるかもしれません。しかし、決して自己判断でお薬をやめてはいけません。お薬の中には急にやめると命に関わるものがあります。「薬をたくさんのみすぎているのではないか」と思われるみなさんは、かかりつけ医に相談してみてください。繰り返しますが、お薬を自己判断でやめたり、減らしたりしないようにしてください。