肝炎検診を受けましょう

 現在、肝癌は癌死亡者の男性で4位、女性で6位であり、その原因の多くはB型肝炎とC型肝炎のウイルス性肝炎の感染です。

 B・C型肝炎ウイルスは血液感染で、昔の輸血や、刺青で感染し、またB型肝炎は、母子感染や性行為でも感染します。一般的にウイルス感染を生じると、肝細胞が破壊される慢性肝炎、次第に肝機能が低下する肝硬変から肝癌を生じます。

 そのため、肝癌の発症を減少させるには、肝炎ウイルス感染の早期発見及び治療が必要になります。現在、肝炎ウイルス治療は進化し、B型肝炎では、内服治療でウイルス量を減少させることで発癌抑制が報告されています。また、C型肝炎では、2~3ヶ月の内服治療で、副作用が少なく、95%以上の確率でウイルス消失が可能となっています。

 現在、B型肝炎の潜在感染者数は約150万人、C型肝炎の潜在感染者数は約200万人と考えられていますが、依然、未受診者が多いと言われています。

 また、奈良県の肝炎検診は、各市町村の健康増進事業としての検診や、保健所にて検診が可能ですが、平成26年度奈良県の肝炎検査の受診率は0・46%と報告され、全国平均の1・15%よりも低いレベルです。現在、奈良県では、肝炎検診には市町村からの補助があり、また、肝炎の治療も申請手続きをすれば自己負担が軽減されます。

 肝炎ウイルス検診は生涯に一度の検診ですが、早期発見、および治療を受けることで、肝癌発生を減少させることが出来ますので、肝炎検診を受け肝癌の発症を減少させましょう。