便秘症

 日本では成人の7~8人に一人が便秘症であると考えられています。便秘とは、便を充分かつ快適に排出できない状態で、排便回数が週に3回未満の場合や、排便が困難で排便時に強く息んだり、残便感がある状態を指します。便秘は50歳以下では女性に多くみられますが、高齢になると男性の方が多くなると言われます。

 便秘の原因としては、①加齢、②女性ホルモン、③病気(大腸がん、パーキンソン病、糖尿病、甲状腺機能低下症、脳血管障害、精神疾患など)、④薬剤(抗コリン薬、モルヒネ、一部の精神疾患治療薬など)、⑤食事量の減少、⑥排便の我慢、⑦ストレスなど様々なものがあります。

 便秘に対しては、まずは生活習慣を改善しましょう。食事を1日3回規則正しく摂り、食物繊維を適量摂りましょう。腸内環境を整えるため、ヨーグルトや納豆を摂るのも良いでしょう。水分をこまめに摂ることが勧められますが、アルコールは利尿作用を促すため水分補給には向いていません。

 また、排便の時には腹筋や骨盤内の筋肉を使います。筋力を維持するため、日頃の運動が必要です。食後は便意を催しやすいので意識してトイレに行くようにしましょう。

 便秘の改善には、排便時の姿勢も重要です。上半身を前かがみにすると直腸から肛門にかけてまっすぐに近い形になり、排便しやすくなります。足が床につかない場合は台に足をのせるとよいでしょう。

 生活習慣を見直しても便秘が改善しない場合には大腸がんの可能性もあり、便潜血検査が必要となることもありますので医療機関を受診することをお勧めします。