ベル麻痺

顔面の筋肉の運動が障害された状態を顔面神経麻痺といいます。ふつうは片方の顔面だけに起こります。

顔面神経麻痺は、脳腫瘍、脳梗塞、脳出血、そして水痘・帯状疱疹ウイルスの感染など、さまざまな病気や外傷で起こりますが、検査をしても原因が見つからないものをベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)と呼びます。

ベル麻痺の年間発症率は10万人中、約20人で、顔面神経麻痺全体の約半数を占め、最も多くみられます。性別に関係なく、年齢とともに発症は増加します。一生のうちにベル麻痺にかかるのは、65人に1人といわれています。

ベル麻痺では、突然、目を閉じることができない、口角が垂れ下がる、口笛が吹けなくなる、額にしわを寄せられない、飲んだものが口角から漏れるなどの症状が出現します。また、味覚が感じられなくなったり、耳の後ろが痛くなることもあります。
ベル麻痺では早期に治療することが症状の改善につながり、1~6ヵ月でほぼ良くなるといわれています。また目が開いたままになるので角膜が傷つきやすくなり、目の保護が大切です。また、あとあとの顔面の筋肉の拘縮(引きつり)を防ぐため、リハビリとしてマッサージが必要です。

急に顔がゆがんだり、ベル麻痺かなと思ったら、できるだけ早くかかりつけの先生にご相談ください。