お腹をこわしましたか?

夏場には、食中毒による急性胃腸炎の症状(腹痛、おう吐、下痢)を起こす人が増えます。

食中毒の原因となる菌は、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなど様々です。

特に黄色ブドウ球菌による食中毒の場合、調理した人の手から食品に入った菌が、食品の中で増殖して毒素を出します。したがって、その毒素を含んだおにぎりや弁当を食べることで発症します。発症が食後30分もしくは1時間と、非常に早いことが特徴です。

一方、以前に集団発生した腸管出血性大腸菌(O-157など)では、菌がヒトの腸管の中で毒素を出します。

最初は急性胃腸炎の症状ですが、だんだん血便が出て、1週間くらい経って下痢が治まったころに尿毒症を発症することもある非常に恐ろしい病気です。

O-157などの特徴は、熱がなくても非常に腹痛が強く、血便を来たすことです。

急性胃腸炎の症状を起こしたときは、医療機関で、便の細菌検査とともに、おう吐・下痢による脱水等に対する治療を必要に応じて受けることになります。

食中毒の予防には、①調理器具や手指を清潔に保つこと、②調理後は早めに食べること、③できたら、加熱することが肝要です。大半の菌は70℃以上の加熱により速やかに死滅し、また、5℃以下ではほとんど増殖しないという性質をよく知っておきましょう。