心臓震盪は、胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態です。
多くはスポーツ中に心臓の真上あたりの胸骨や肋骨が折れるとか、心臓の筋肉が損傷するような強い衝撃ではなく、子供が投げた野球のボールが当たる程度の弱い衝撃でも起こります。
衝撃の力によって心臓が停止するのでなく、心臓の動きの中で、あるタイミングで衝撃が加わった時に、心室細動といって、危険な不整脈が発生することが原因と考えられます。
アメリカでの心臓震盪の報告では、約70%が18歳以下に起こっています。
子供の胸部は軟らかく、衝撃が心臓に伝わりやすいからです。
発生状況を見ますと、約60%が野球やソフトボール、アイスホッケー、ラクロス等の球技やアメリカンフットボール、サッカー等の身体が接触するスポーツにおいて発症しており、他はこぶし、ひじ、ひざ等が胸部に当たるなどにより日常生活で起こっています。
予防法として、球技の場合、胸部を保護するプロテクターが市販されているので装着し、野球等で打球を捕球する時も、「ボールを胸で受け止めろ」というような指導方法を見直すべきです。
この心臓震盪が発生することは稀ですが、不幸にも起こった場合は、119番通報とAEDの手配を頼み、直ちに心肺蘇生(心臓マッサージ)を開始しなければなりません。