慢性的な頭痛に悩む人は、我が国で約3千万人いると言われていますが、そのなかで、実際に医療機関で診察・治療を受けている人は3割にすぎません。その原因は、「頭痛持ち」という言葉があるように、持病としてあきらめている人が多いからではないでしょうか。
頭痛は、原因や症状をきちんと把握し、適切な対策をとれば症状をやわらげることは十分可能です。
慢性頭痛の原因のほとんどは、緊張性頭痛と血管性頭痛との2つです。
緊張性頭痛は、頭全体がしめつけられたり、はちまきを強く巻いたようなにぶい痛みがあります。目の奥が痛んだり、肩や首が凝り、めまいを伴う場合も多くみられます。緊張性頭痛は、「ストレス頭痛」とも呼ばれることがあり、文字どおり身体的ストレス、精神的ストレスが主な原因となっています。
この緊張性頭痛は、慢性頭痛の7~8割を占めると言われています。
血管性頭痛は、頭部の血管の拡張によって起こる頭痛を言い、片頭痛(必ずしも片側だけとは限りません)と言われるものです。ズキンズキンと脈打つような強い痛みが特徴で、吐き気を伴う場合もあります。また、前兆(頭痛が起こる前の症状)として、目がチカチカしたり、目が見えにくくなったりすることもあります。
以上のように、頭痛とひと口に言っても、その症状はさまざまで、原因も異なります。慢性の頭痛であきらめている人も、一度、医療機関を受診してください。