検診などの尿検査で尿たんぱくが陽性という結果が出た場合、皆さんはどうされますか? 「症状もないし、別にいいか」と放置していませんか? これは、大きな間違いです。
尿にたんぱくが漏れるということは、あなたが腎臓の病気を持つ可能性が高いことを意味します。腎臓病では、たんぱくがもれ出る量が多いほど腎臓が悪くなることが多く、尿たんぱくは腎臓の運命を判断する指標にもなるのです。
残念ながら、多くの腎臓病は末期になるまで症状が全くありません。そのため、以前に尿検査の異常を指摘されたのに、適切な治療を受ける機会を逃し、気づいた時には透析療法などが必要な状態になったという患者さんがたくさんおられます。
腎臓病治療の適切な機会を逃さないためにも、尿検査で異常を指摘されたら、必ず尿の再検査を受けてください。
特に、尿検査でたんぱくが「2+」以上漏れ続ける場合は要注意です。この場合は、かかりつけの医師に腎臓内科医への紹介を依頼してください。
尿検査は、皆さんがご自分の腎臓の状態をうかがう窓です。症状がないからと放置せずに「尿検査の異常は腎臓からの警戒信号」と考え、必ずかかりつけの医師を受診してください。