皆さんは一日にどれくらい食塩を摂取しているかご存じですか?平均的日本人は一日に11gくらいの食塩を摂取しています。食塩をほとんど摂取しない民族は、高血圧の発症が極めてまれであるため、食塩の過剰摂取が高血圧発症の重要な原因であると考えられています。
食塩を摂取すると血圧が上がりやすいことを、「食塩感受性」と言います。私たち日本人は欧米人と比較して食塩感受性が強く、食塩摂取に反応して血圧を上げる遺伝子(食塩感受性遺伝子)が強いため、食塩をとりすぎると高血圧になりやすい民族なのです。
日本の高血圧ガイドラインは、一日の塩分摂取を6g未満にするように推奨しています。「薄味にはしてるんですが…」という程度では、なかなか6g未満にはなりません。
塩分制限の第一歩は、食品中の塩分量を知ることです。例えば、味噌汁一杯には約2g、ラーメン一杯には約6gの食塩が含まれています。最近は、食品に栄養成分が表示されている場合が増えていますが、多くの食品には塩分量ではなく、Na(ナトリウム)量が表示されています。その場合には、Na量(g)×2.5=食塩量(g)になります。
また、「塩分制限したら家族から味が薄いと文句がでて…」という方もおられます。塩分制限目標を達成するコツは、ゆっくり塩分量を減らすことです。人間は、塩分濃度差が10%以下であれば、味の差を感じないと言われていますので、一~二週間ごとに塩分を少しずつ減らすと自然に減塩できます。
健康長寿のために、日頃から塩分摂取を控えるようにしましょう。