麻疹の予防接種

麻疹(はしか)は、感染力の強いウイルス性の感染症で、人から人へ飛沫感染や空気感染で拡がっていきます。

典型的な場合は、10日程度の潜伏期のあと、発熱が3日ほど続き、咳など風邪の症状と結膜炎などの粘膜の症状を伴います。いったん解熱して再度、40℃前後の高熱とともに発疹が全身に現れ、1週間程度続きます。

脳炎や肺炎などを合併して重症化することもあり、毎年、死亡例も報告されています。

従来、麻疹に罹るのは乳幼児が中心でしたが、ここ数年は10~20歳代の流行が話題になっています。この世代は幼少期に1回しか予防接種の機会がなく、自然に感染する機会も少なかったことが大きな要因です。

麻疹の発症を確実に防ぐためには、2回の予防接種が必要とされ、現在は満1歳と小学校入学前年の2回、麻疹・風疹混合ワクチンの接種が行われています。

10~20歳代の流行を防ぐために、平成20年度~24年度の5年間は、中学1年生と高校3年生に相当する年齢での、追加接種も実施されています。また、学校での集団感染を防ぐために、入学時に予防接種の証明書を求める大学もあります。

麻疹は例年、春から夏にかけて発生報告が増加しますので、対象年齢になった人は、できるだけ早く予防接種を受けるようにしましょう。予防接種を受けることができる場所や費用等の詳細は、市町村からのお知らせ等でご確認ください。

予防接種で重いアレルギーを起こしたことがある人、免疫に関する持病などがある人は、かかりつけ医に相談しましょう。