臓器提供意思表示カード

昨年7月に臓器移植法が改正されました。この改正により、本人の意思が不明でも遺族が同意すれば臓器提供が可能となり、以前には認められていなかった15歳未満の人からの臓器提供も可能とされました。

臓器移植とは、臓器の働きが低下し、改善の見込みがない状態の人に対して他人の臓器を置き換える治療法で、脳死状態の人から提供を受ける脳死移植以外に生体移植や心臓死移植があります。生体移植には、健康な人から臓器を摘出するという倫理的な問題があり、また肝臓や心臓は脳死状態で摘出しないと移植後に十分機能しません。

今の日本で脳死移植は万人に受け入れられた医療とは言えませんが、一方で脳死移植でしか救えない命があることも事実です。臓器移植法が施行されてから昨年までの13年間に国内で行われた脳死状態からの臓器提供は、わずかに80例余りでしたが、昨年の法改正の後、半年間で30例以上の臓器提供が行われ、状況は好転しています。

病気と戦いながら移植を待っておられる命を少しでも多く救うためには、臓器移植をもっと多くの人に知っていただく必要があります。

臓器を提供する意思を示す方法の一つに、臓器提供意思表示カードがあります。このカードでは、臓器を提供しないという意思表示も可能です。市町村役場や保健所、運転免許センターやコンビニエンスストア等で手に入れることができますので、ぜひ一度手にとって、臓器移植について考えるきっかけにしてみてください。