日本脳炎

日本脳炎は、蚊によって媒介される日本脳炎ウイルスが原因の脳炎で、発熱、頭痛、嘔吐、意識障害などの症状がみられます。ウイルスに感染しても多くはこのような症状は出ませんが、一旦、脳炎を発症すると、対症療法以外に治療法はなく、重篤な後遺症を残したり、死に至る率が高い疾患です。

3歳から複数回接種する日本脳炎ワクチンや、蚊の生息する水田の減少により患者数は減っていますが、毎年、ブタの血液を検査することにより、いまだにウイルスを保有する蚊は西日本を中心にみられ、国内で感染する機会はなくなっていません。

昨年は、高齢者を中心に全国で4名の患者さんが確認されました。

平成17年に厚生労働省は、旧ワクチンにより重大な副反応が発生した可能性があるとして、新たなワクチンが開発されるまで「日本脳炎ワクチン積極的勧奨差し控え」を決定しました。そのため、平成17年度から21年度に接種を受けるべき子たちは、接種の機会を逃している可能性があります。

現在は、平成21年に導入された新ワクチンによる接種が行われており、充分な量が流通しています。さらに、今年度より接種の期間も20歳まで延長されている対象者もありますので、詳細は市町村(保健センターなど)にお問い合わせの上、必要な回数を接種されることをお勧めします。

また、蚊を発生させないために、屋外の環境整備(側溝の清掃やたまり水の除去など)や、蚊に刺されない工夫(田畑や山などでは長袖を着用するなど)を心がけてください。