長引く咳、痰、息切れはありませんか。COPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。
COPDでは、空気の通り道である気道(気管支、細気管支、肺胞)に慢性の炎症が生じ、むくみ(浮腫)がおこり、痰が多くなります。痰を取り除こうと咳がでます。さらに痰の量が多くなると気管支がふさがれ、空気が通らなくなります(慢性気管支炎の状態)。さらに肺胞の細胞の壁がこわれ、肺胞が大きくふくらみ、弾力性、収縮性が低下してきます(肺気腫の状態)。このため空気を吸いにくくなり、息切れをおこしやすくなっていくのです。放置しておくと呼吸不全、心不全にいたります。
COPDの原因のほとんどが、タバコです。そのためCOPDはタバコ病ともよばれます。わが国は、先進国に比べ、喫煙者が多く特に若い人、女性では喫煙者が徐々に増加しています。
また、他人のタバコの煙を吸わされること(受動喫煙)も発症の原因になり注意が必要です。特に、肺がまだ完成していない乳幼児期に、父親や母親が喫煙していると大きな影響を与えてしまいます。
COPDの治療は、現在ある症状をできるだけ改善し、それを維持することです。特に予防も含め、どの状態でも、禁煙が最も重要になります。
COPDの患者は、わが国では500万人以上といわれています。しかし、実際に治療を受けている人は20数万人程度です。禁煙の重要性を再度認識していただくとともに、長引く咳、痰、息切れがあればかかりつけ医に相談してください。