心房細動治療で脳梗塞予防を

心臓(心房)が不規則に細かく震える
心臓は筋肉(心筋)からできた袋のような臓器です。
正常の心臓は心筋が縮み、ポンプのように働くことによって、血液を全身に規則正しく循環させます。
しかし、心臓(心房)が通常の5倍から10倍の速さで細かく震え、心臓収縮のリズムが不規則(不整脈)となり、心臓のポンプ機能が、うまく働かなくなることがあります。この状態を心房細動といいます。

年をとるにつれて
心房細動が起こったとしても、通常、動悸(どうき)を生じることはあっても生命の問題にはなりません。60歳以下の健康な人にはまれですが、高齢者の5%くらいに心房細動が見られ年齢が高くなるにつれて、さらに増加するという調査結果があります。心臓の弁の異常や動脈硬化、心不全がある患者さんでは特に注意が必要です。

合併症にご用心 
合併症で問題になるのは脳梗塞の原因の一つである脳塞栓症(のうそくせんしょう)です。
心房細動では心臓(心房)が細かく震え、血液の流れが悪くなるところから、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。その血栓が脳に到達し脳血管をふさいでしまうと、脳梗塞(脳塞栓)を起こしてしまいます。よって心房細動の治療が脳梗塞症の予防となります。
脈拍が不規則で胸がドキドキ動悸がする、なんとなく胸苦しい、めまいがする、そんな症状がたびたび起こる場合は、かかりつけ医に相談しましょう。